公開日:
2022/3/31 14:25
別アングル
読み物
別アングルは柏崎の魅力的な人を取材して、その人の情熱や生き方を紹介するインタビュー記事です。
お話を伺うのは、仕事、遊び、趣味など、何かひとつのことに打ち込む人たち。動機は、好きだから、楽しいから、気が付いたらやっていたからと、いたってシンプル。
それが結果として人を喜ばせ、地域のためになっている。
別アングルから見るとまちづくりになっている。
魅力的なひとの存在に気づけば、またさらに柏崎が好きになれるはず。
そんな想いでこの記事を書きます。
柏崎市出身。
小さい頃から実家裏の山で遊ぶ。竹や木を伐り山の整備を行う。
郷土史やバイク、アウトドア、キャンプが好き。
いろんな人が自分たちのやりたいことを山の中で出来るよう、仲間たちと一緒に里山を整備中。
家の裏にある山が、物心がつく前からの遊び場だった。
「ねぇ、裏山に行こうよ」
親が撮影した当時のホームビデオには、山に遊びに行こうとせびる自分の姿が写っている。
山に入るのは友達と一緒の時もあるけど一人の時もある。
道に迷って知らないところに出てしまったこともある。
山へ入ると発見がある。何かを見つける。
「この辺りでは初めて見る虫だな」
「こんなところに鳥の巣があるんだ」
それが楽しい。
子どもの頃の気持ちは大人になった今でも持っている。
「お前は誰に似たんだろうね」
と父親は言う。
父親は整備士の仕事をしていたから、土日は仕事。
休みが合わず、あまり一緒には遊べなかったから、山に連れて行ってもらってはいない。
誰の影響でもなく、遊ぶとなると自然と山へ足が向かう。
父親はバイクが好きだった。
小学校が終わり、友達と家までの道を歩いているときのこと。
そこへ、近所をバイクで流していた父親がたまたま通りかかる。
父親は俺たちに気が付くと目の前を、バイクをウイリーさせて走り去って行った。
「父ちゃん!!」
かっこいいなぁ、いいなぁ。
父親とバイク、両方のカッコよさに痺れた。
小学校になれば遊びのスケールもアップする。
裏山にはかつて山城があって、いまでも当時の地形を残している。
山城は要塞だから、地形を活かしてするエアガン遊びなんかは最高だった。
秘密基地なんかも作ったな。
何が「秘密」なんだかよくわからないけど。
中学校にあがると部活が始まる。
家から近い中学校には野球部、卓球部、吹奏楽部があった。
かならずどこかに所属しなければいけない。
バスケがやりたかったから隣の区の学校へ進学することも考えたけど…。
結局一番近い中学校に進学、野球部へ入ることに。
平日は授業が終わると19時まで練習。
土日も朝七時から練習。それに練習試合。
部活が忙しく、山に入る暇もない。
性格はお調子者。
何か発表会とかがあれば、笑いを取りに行く。
勉強はあまり得意じゃない。
中学校の1学年は、20人くらいしかいなかった。
田舎の学校だからね、みんな真面目で優秀でイイ子が揃っている。
そんな中に俺みたいのがいると、先生から見たら目立つんだろう。
あまりうまく先生と関係が構築できなかった。
多感な時期で、大人に上がっていく人格形成をするとき。
部活は忙しくて厳しくて、先生とうまく付き合えない。
田舎に住んでる子どもにとって、通っている中学校がすべてだ。
今、見えているところがすべてだ。
町や都会の学校にいれば、人も多くて違った世界が広がっているんだろうけど。
すごくショックだった。つらかった。
部活の合間、ほんとにたまにあるかないかの休みの日。
友達と行く釣りが心を支えてくれていた。
山にはそう頻繁に入れないけど、裏山にまつわる郷土史にも夢中になった。
裏山にある山城の跡。家の前の道に残る隣町までつながる街道跡。
身近に残る歴史の跡を調べては夢中になっていた。
味方になってくれた校長先生の存在も大きい。
優しい大人の存在に胸をなでおろしていた。
当時の身近な大人の存在をいま振り返ってみると、シャバに触れるのが早かったんだなと思う。
「ここだけが全てじゃない、世界はもっと広がっているハズ」
中学も終わりが近づけば、そう思えるようになってくる。
episode2へ続く
photo:ヒロスイ
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