雪かきは地域づくりの場、いつでも相談できる顔の見える関係を。〜よるラボin柏崎 vol.32開催レポート〜

2023年1月16日に「地域活動アンケート結果報告会〜県内除雪の事例から『これから』を考える〜」と題して、よるラボin柏崎 vol.32を開催しました。
今回はいつものよるラボとは少し形を変えて…
 1.地域活動アンケートの結果報告
 2.ゲストトーク①
(長岡市栃尾「新栄町区しんせつ除雪隊」の皆さん)
 3.ゲストトーク②
(糸魚川市西海地区「きみのて雪かきカレッジ」の皆さん)
柏崎市内の全町内会対象に行ったアンケートの全容をお伝えしながら、課題として多く挙がっていた「除雪」について、地元住民や関係機関と連携した取組事例から学ぼう!という趣旨でした。

町内会はどんな課題を抱えているだろうか。〜回収率67.4%!アンケート結果より〜

昨年9月に行った柏崎市内の全町内会対象「地域活動に関するアンケート」調査では多くの町内会の皆様からご協力いただき、貴重なご意見をいただきました。
「まちから」に町内会の皆様からご相談をいただくことが少しずつ増えてきた中で、どういった困りごとを抱えているのだろう?私たちがお手伝いできることはあるだろうか?といったところからアンケート調査に至りました。

アンケートの概要としては以下の通り。
・対象:柏崎市内の全町内会長様 または、町内会長が地域の活動に主体的に関わっている方を指名
・方法:郵送による配布回収、WEBフォームによる回収
・期間:2022年9月1日〜2022年9月20日
・回収状況:
 配布 304件(全町内会数)
 回収 205件 ※町内会単位では196件
 回収率 67.4%

※ PDFデータの文字化けを修正しました。大変失礼致しました。

地域活動に関するアンケート結果の一部をご紹介します。
まずは、町内の困りごとランキングです。1位 空き家問題、2位 道路等の環境整備、3位 除雪問題という結果になり、これらは全体の5割以上を占めています。また、見守りや生きがいづくり、地域の魅力発掘についても1割程度の回答がありました。

それらの困りごとから、様々な悪影響が起きている実態も見えてきました。

そして、町内で今一番解決したいことのランキング1位〜3位はこちら。

…という結果になり、なかなか既存の制度等では解決しづらい問題が挙がっている印象です。こういった内容はそれぞれの町内での工夫がヒントになるかもしれないですね。
そのほか、調査結果の詳細はPDFデータをご覧ください。

「役員の声を聞くことができた。次は年代別の声を吸い上げたい。」次のステップへ

アンケートの中で相談を希望した19の町内会に、まちからのコーディネーターが個別ヒアリングを行い、困りごとについての意見交換や関係機関への仲介、話しやすい場づくり等を行いました。
「今回をきっかけに役員の声を聞くことができた。次は年代別の声を吸い上げたい。」「その制度は見逃していた。検討したい。」といった感想をいただきました。

今回アンケート調査やヒアリングを実施した中で、地域で起きている問題に対して自分たちで調べたり、動き出している町内会がある一方で、統合問題を抱えていたり、現状維持が精一杯といった町内会もありました。
また、新型コロナウイルス感染症の流行から3年が経過し、今後もwithコロナ時代は続きそうです。今の状態をどう受け止めて、次に進むか、そういった視点での活動が大切になってくるのではないかと感じています。

自分たちの町内では、何ができるか?

後半のゲストトークでは2組のゲストにお越しいただき、これまでの経緯や現場での工夫、他団体との連携方法等のお話をいただきました。

1組目は、長岡市栃尾の「新栄(しんさかえ)町区しんせつ除雪隊」のリーダー 片岡誠一さんです。

「新栄町区しんせつ除雪隊」は社会福祉協議会と連携しながら、地域の共助組織をつくり、高齢者単身世帯や高齢者のみの世帯、障がい者世帯の雪下ろしや除雪作業を行っている。住み慣れた地域で安心そて暮らせるように支援する見守り活動も実施。
新栄町区:人口約400人、155世帯
栃尾地域の町部では最北に位置、商業施設や社会福祉協議会栃尾支所等の施設がある。

2組目は、糸魚川市西海(にしうみ)地区の「きみのて雪かきカレッジ」の学長 小川紀生さん、松澤克也さんです。

「きみのて雪かきカレッジ」では「越後雪かき道場」をアレンジし、除雪協力会の主要メンバーの若返り、若手協力者の拡大に成功。高齢者世帯の雪下ろしや、除雪マニュアルを作成し、地区内全世帯に配布を行っている。元々は「西海除雪協力会」として平成10年に発足、地域有志による有償ボランティアとして、約20年近く屋根の雪下ろし専門で活動している。
西海地区:人口約2,000人、793世帯、高齢化率34%
糸魚川市の真ん中くらいに位置、狭い谷間に存する集落。

登壇された方々の
「除雪は地域づくりの場である」
「除雪と合わせて見守りを行う。日頃から民生委員との連携は必須!」
「困ったときにいつでも相談できる相手がいる、顔の見える関係がある」
といった言葉が印象的でした。

今回お話を伺って、地域に対する愛情、真摯な姿勢、安全の確保、様々な決断をしながらここまで歩んできた実行力を感じました。問題があればその都度修正する、誰かに相談する、そうやって長く続けられたのではないのかなと。
人口減少、少子高齢化、家族や町内の機能が縮小していく中で、どうやって地域に暮らす人々の安心安全を作っていくことができるか。自分たちで出来ること、周りの協力を得ること、これまで通りではなく考え直すことも大切だと思いますので、そういった活動の整理にもぜひ「まちから」の相談窓口をご利用ください。(対応時間9:30〜21:00、火曜休館です!)

次年度は、今回のアンケート結果やヒアリングを踏まえて事業やサービスの検討をしていきます。

〜参加者の感想紹介〜

・具体的で、実体験に基づいたものは説得力があります。
・除雪だけでなく、地域活動の参考になった。
・除雪のやり方を学ぶ会があることを初めて知った。行政ではなく、地域で要援護者の除雪をまかっているのは素晴らしいと思った。そろそろ自分も町内のことをやっていかないといけないと思った。
・除雪隊の活動範囲や雪下ろしの実際の方法について参考になった。アンカーを考案したい。
・除雪の安全講習会への出席をしたい。
といった感想、次にアクションしたいことがありました!

よるラボin柏崎 vol.32にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

2023年1月27日 09:05

カテゴリー / まちから,活動の報告

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投稿者 / miya