「自慢のブナ林」を活用しながら保全する

柏崎市の「元気なまちづくり事業補助金」は例年秋に中間報告会を開催していましたが、今年度はコロナの影響で開催できず…。そこで今年度採択された5団体の今をブログでお伝えしていきます!

前回は「Deaf Heart」の取り組みをご紹介しました。

NPO法人石黒邑【「ブナの森学習会」実施プロジェクト】

今回は第四弾。ご紹介するのはNPO法人石黒邑(いしぐろむら)の活動です。

石黒邑の皆さんは、柏崎市高柳町の中でも雪深い地域にある石黒地域で、その地で培われた食や文化を継承しながら地域活性に寄与する活動を行っています。

今年度の補助金で申請した事業は、ブナの森に自生する植物について学ぶ「森の学習会」と、地域内外の方に憩いの場として使ってもらうための散策路と遊び場の整備です。

このブナの森は元々旧石黒小学校の裏手にあり、かつては薪を拾いに行ったり、子ども達が落ち葉の上でそりすべりをして遊んだりと、馴染みの深い場所でした。
現在は、秋に行っている風土市において好評な「ブナ林ウォーキング」の散策路として活用しています。

ただ、散策路をしては整備が不十分な道なので、足の悪い高齢者などが歩いて登るにはなかなか厳しいものがありました。
また、長い間人の手が入らなかったことで森もどんどん荒れていき、そこに危機感を持った石黒邑は昨年から森の整備を始めました。

ブナの森を維持していくための整備を行う中で、整備を行う自分たちだけでなく、訪れる人にも森にとって大切なもの・不要なものを知ってもらうことが山を守ることに繋がるのではないかと思い、今回の森の学習会を開催することになりました。

これまでの活動の様子

9月までにすでに2回の「ブナの森学習会」と子ども向けの「ブナの森探索会」を実施しました。

「ブナの森学習会」では、植物の生態や山でのマナーを教えてくれる講師をお呼びして、森の中を歩きながらお話をお聞きしていました。今後は団体メンバーが案内をできるようにするためにボイスレコーダーも準備して一緒に聞いて回ります。

「ブナの森探索会」では子ども達を連れて案内をしましたが、どうやら子ども達はそり遊びの方が楽しみだったようで、そりが気になって仕方ない。森の中に楽しそうな子どもの声が響いていたそうです。

同時に散策路としての整備も進めていて、木で作った休憩用ベンチの設置や駐車場となるスペースに砂利を敷いています。

これからの活動

11月6日(土) に3回目のブナの森学習会を行う予定です。雪深い石黒ではこれが今年度最後の学習会になります。
その後は雪が降る前に駐車場の整備を完了させ、ベンチの撤去を行います。

次年度以降は団体メンバーが森の中を案内できるようにしていく予定です。近い将来、石黒邑が所有する農家民宿「田中の家」の体験メニューとしてブナの森探索が提供される日が来るかもしれませんね。

石黒邑代表の田辺さんは「自慢のブナ林」だと言います。
地域の人にとって関わりの深い場所でありかけがえのない場所であるこの森を、今後も荒らすことなく、憩いの場として、石黒のおすすめスポットとして定着させたいという思いを持ってこれからも守っていきます。

2021年10月30日 17:30

カテゴリー / まちから

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投稿者 / takizawa