最後のサバト よるラボin柏崎vol.25

よるラボin柏崎vol.25を開催しました。ゲストは2021年9月30日をもって活動を終了された「小さな絵本館サバト」の皆さんです。

「最後のサバト〜想像力を伝える絵本の魅力〜」と題して、今までの活動をはじめ、絵本が作る場の魅力、一貫して読み聞かせではなく「絵本ライブ」という言葉を使ってきた思い、ボランティア活動の秘訣、そしてこれからのことなど、23年の経験を踏まえてお話を伺いました。

サバトの活動は前身である絵本の会から始まります。そのころは拠点がなく、柏崎市内の喫茶店を回りながら活動をスタート。数年経ち、柏崎市豊町近く、当時の白竜公園前にあった「ときめ樹広場」の美容室を改装して拠点とします。

「軽食を出すためにカフェみたいにしてみよう。子どものために畳は必要!」

当時のメンバーや手伝いに来てくれる人みんなでDIYをして場所を作ったと聞いています。

その後、東本町の宮川産婦人科医院の建物をお借りして、次の拠点として立ち上げます。とても美しい、擬洋風の建物でしたが、中越沖地震により全壊。なんとか絵本の一部と思い出の詰まったオルゴールを救い出します。

地震後、オーナーから新しい場所を作ると励まされ、同じ場所に新たな建物が建設されます。
会の後半で「その時の感謝は忘れない」と、宮川家へのお礼も述べていただきました。

「好きな気持ちがあるからできたし、続けられた。活動するために、どんなところにも出て行った。」
「声を上げたら、少しずつ仲間が増えていった。最初は見向きもされなかったけど、徐々に認めてもらえた。」

その話を聞いていて、現代の市民活動作りや小さなスタートアップ、場所作りと変わらないなと感じます。

少しずつ活動の輪を広げて、今では当たり前になった学校での読書活動も、当時は入ることすらできない中、現在は廃校となった下小国小学校から呼ばれて絵本ライブをしたことをきっかけに、学校の読書活動の普及にも勤めました。
また、新生児とお母さんのためのブックスタート事業は日本で2番目の早さで始めます。この活動は柏崎はもとより、日本全国で広がっていますね。

絵本の魅力を伝えてほしいとお願いしたところ、それなら言葉で伝えるより絵本ライブ!ということで会場の皆さんと一緒に、一つの絵本を読みました。
進行の私はアドリブが効いていてびっくりしましたが、それがまさしくライブなんだなと感じます。絵本ライブ、とっても楽しいです。

「絵本は子どものためだけじゃない。そもそも絵本を買うのは大人。大人が絵本の魅力に気づくと、絵本を選ぶということ、読むことがもっと魅力的なものになる。」

だから、積極的に大人との絵本ライブや、普段はあまり触れなさそうな男性に読んでもらうなど、いろいろなイベントも行ってきました。

「絵本の魅力を伝えたい。」

その気持ちは活動を始めた頃も、現在も変わりません。熱が入る様子を伺っていると、また新しいサバトが始まるようです。

サバトの活動や拠点は閉じられましたが、よるラボに来場していただいた、本が好きな人、本に関わっている人、地域活動や教育に関わっている人、そしてサバトを運営されてきた方々が一同に集まり、新しい出会いや関係を作っていただけたかなと思います。

そういう意味で、サバトの思いを通じて、新しい関係性が始まっていくような夜会、最後のサバトとなりました。この機会を作らせていただき、ありがとうございました。

2021年10月30日 11:56

カテゴリー / まちから

投稿者 / nakajima