柏崎市の「元気なまちづくり事業補助金」は例年秋に中間報告会を開催していましたが、今年度はコロナの影響で開催できず…。
そこで、今年度採択された5団体の今をブログでお伝えしていきます!
今回は第三弾!!前回は「いちじく好きがまちづくり」の取り組みをご紹介しました。
Deaf Heart(デフハート)【聴こえない高齢者のサポーター養成事業】
今回ご紹介するのは『Deaf Heart(デフハート)』の皆さんです。
現在、日本には29~31万人の聴こえない方が生活していると言われています。そして、その過半数が65歳以上の高齢者だそうです。
柏崎市も例外ではなく、聴こえない方の高齢化は進んでいます。しかし、新潟県内に聴こえない方に対応した老人ホームはなく、手話ができる人材も少ない状況にあります。
Deaf Heartの皆さんは、聴こえない高齢者が安心して地域で老後を迎えられるよう日々活動しています。

聴こえない高齢者のサポーター養成講座の開催
この講座は日本初ともいえる、聴こえない高齢者の介護について、聴こえない方と共に考え、意見を出し合う講座です。
聴こえない高齢者の生い立ちや暮らし、介護問題に至るまでを2日間(場合によっては1日開催もあり)にわたって学びを深めていきます。
地域の聴こえない高齢者と講座修了生の交流会の開催
講座の修了生と地域の聴こえない高齢者の関わりをつくることを目的とした交流会も開催しています。ゲートボール交流会やカメラ講座など、毎回テーマを変え、交流の場をつくっています。
交流会では修了生以外の方も参加でき、聴こえない方との関わり、そして手話を学ぶこともできます。
手話でオーダーするサイレントバーの開催

サイレントバーとは、手話でオーダーをするBARです。
聴こえない方が接客スタッフとなり、メニューも手話の映像だけ。ここでの言語は手話だけになります。コロナ禍ではありましたが、70人の参加があり、イベントは大盛況!!
\手話はできないけれど、伝えようという気持ちがあればコミュニケーションはとれるんだと分かりました/
\初めての手話でドキドキしたけど、意図したことが通じた瞬間はとても嬉しかった/
\もっと聴こえない方と話してみたかったな/
参加者からも好評だったそうです!
団体設立のきっかけは、代表の武藤さんのある経験から
武藤さんは、14歳で手話やろう者と出会い、15歳から手話を始めました。今では手話通訳士としても活動しています。
柏崎に数年前に移住するまでは、手話通訳と介護業務を10年経験し、そのうちの3年は、ケアマネジャーとして高齢ろう者の支援にあたったそうです。

ケアマネジャー時代に、一人の聴こえないおばあちゃんと出会いました。
聴こえない方の中には、聴こえないことで学校に通えず、満足に教育を受けれない方も多くいらっしゃるそうです。
そのおばあちゃんも、満足に教育が受けられず、手話や筆談をすることも難しかったそうです。最初は、家に訪問しても、コミュニケーションがうまくとれず、何度も追い返されたと武藤さんはおっしゃっていました。
しかし、それでも諦めず、熱心におばあちゃんと向き合うことで少しずつコミュニケーションがとれるようになり、適切な支援を受けてもらえるようになりました。
その経験からこれからも聴こえない高齢者の支援をしたいという気持ちが芽生えたそうです。
新潟県初の宅ろう所の開設を目指して
Deaf Heartの最終目標は、新潟県初の聴覚障がい専門の宅ろう所の開設です。
今後、聴こえない高齢者は確実に増えていきます。それと同時に介護問題も増えています。
今はまだ、支援する人も場も足りていない現状です。講座やイベント開催を通じて、地域の中で聴こえない高齢者を支えられる仕組みをつくっていきます。

最近は、手話に興味を持つきっかけになればと、市内飲食店に手話のイラストが書いてある「謎解き手話カード」を置いています!見かけた方はぜひ手に取ってみてくださいね~!
聴こえない高齢者が安心して地域で老後を迎えれるように、これからもDeaf Heartの挑戦は続いていきます。