別アングルは柏崎の魅力的な人を取材して、その人の情熱や生き方を紹介するインタビュー記事です。
お話を伺うのは、仕事、遊び、趣味など、何かひとつのことに打ち込む人たち。
動機は、好きだから、楽しいから、気が付いたらやっていたからと、いたってシンプル。
それが結果として人を喜ばせ、地域のためになっている。
別アングルから見るとまちづくりになっている。
魅力的なひとの存在に気づけば、またさらに柏崎が好きになれるはず。
そんな想いでこの記事を書きます。
小林 雪恵(こばやし ゆきえ)
柏崎市生まれ。株式会社 koyukino バイヤー。
海外の雑貨や家具の仕入れを担当。独自の感性を活かし、自ら開拓した仕入れルートを世界中に持つ。
オンラインショップの運営の他に、2020年7月、市内に実店舗をオープン予定。

仕事をやめてからは、失業保険でぐうたら過ごす日々。
東京のアパートは借りたまま、柏崎の実家に戻った。
失業保険のために月一回は渋谷のハローワークに通う。
柏崎の実家に住みながらも、相変わらず東京は大好きなまま。
食事して飲みに出て買い物して。
誰からも干渉されない、東京での素晴らしい暮らし。
このころは「いずれまた東京に戻りたい」って思ってたなぁ。
柏崎の飲食店でバイトしながらコンビニの仕事も掛け持ちする。
朝から晩までどんなに働いても10万円ちょっとしか稼げない。
アラフォーで職業アルバイトという境遇。
いまの姿を東京の友達に見せられないって思った。
「いまの私では、友達に胸を張って会えない」って。
あるとき、通っていたエステのオーナーさんから
「隣のテナント空いてるよ。自分のお店やったら?」
って言われて。
「自分でやるか!」
とうとう柏崎で自分のお店をやる決意をした。
当然、自分のお店で苦手なカットはしない。
「柏崎のまちでは、カットしない美容室なんて難しいんじゃない?」
周りに反対されたけどカラーとパーマ、ヘッドスパだけのお店をオープン。
ありがたいことに、多くのお客さんが来てくれた。
自分のお店を持つようになると内装や家具は当然、自分で決める。
いままで遊ぶことや自分自身のヘアカラー、洋服にお金をかけていたけど、今度はインテリアに興味を持ち始めた。
「インテリア、いいよね。可愛いものに囲まれる暮らしって素敵!」
この感覚は男性にはわからないかな?
視界に可愛いものが入るだけで、気分が良くなるの!

一年に一度、お店で新しいことを挑戦しようって決めた。
オープンしてから一年たったとき、新しいインテリアをお店に入れようと思った。
フランスの「バガイユ」っていう、テキスタイルブランドのキルト。
東京のお店で買おうと思ったら、高いのなんの!
自分で直接フランスから仕入れることにした。
当時はユーロ安の時代。
思ったよりたくさんのキルトを仕入れられた。
「どうせ仕入れるならお店を作って人に売っちゃおう!」
手探り状態の中で、輸入インテリアのネットショップをオープン。

自分が可愛くてほしいと思ったものを仕入れ、ネットショップの品数は増えていく。
インスタグラムを眺めていて気になるインテリアがあると、検索を繰り返しブランド名を特定する。
そうやって世界中の商品を探してきた。
あるとき見つけた、色が可愛い収納コンテナは
「最小ロットは350万円から」
っていう条件の厳しい商品。
とてもそんな金額は無理で、最初はあきらめた。
けどどうしても忘れられない。
1年たってからもう一度、仕入れルートを探す。
こうやって執念で独自ルートを開拓してきた。
どこも販売していないウチだけのものが手に入ったときは快感だよね。
ネットショップにはリピーターが多い。
掲載すると数秒で売れる商品もある。
子どもができたのもあって美容室を一時閉め、輸入インテリアのショップ一本に絞った。

東京に戻りたいっていう思いはいつからか無くなってた。
だって私が仕入れている商品は、世界中から来るんだもの。
柏崎だってお洒落な商品を扱える。
「東京で買うからお洒落」ってわけじゃないの。
今年は柏崎で実店舗のインテリアショップを構えることにした。
2020年7月23日にプレオープン、7月29日グランドオープンの予定。
最近は送料も高くなっているからね。
これからはまた実店舗の時代がくると思う。
商品を選ぶお客さん表情を直接見られたり
お店の中で「可愛い!」って想いを共感できるのも、実店舗のいいところ。

東京や新潟まで行かなくても、ここに来れば可愛いものが手に入る。
見たいと思った時、ほしいと思った時、すぐに手に取れる。
近県からもお客さんが来てくれる。
そんなお店にしたいな!