別アングル 小林 雪恵 episode.1

別アングルは柏崎の魅力的な人を取材して、その人の情熱や生き方を紹介するインタビュー記事です。
お話を伺うのは、仕事、遊び、趣味など、何かひとつのことに打ち込む人たち。動機は、好きだから、楽しいから、気が付いたらやっていたからと、いたってシンプル。
それが結果として人を喜ばせ、地域のためになっている。
別アングルから見るとまちづくりになっている。
魅力的なひとの存在に気づけば、またさらに柏崎が好きになれるはず。
そんな想いでこの記事を書きます。

小林 雪恵(こばやし ゆきえ)

柏崎市生まれ。株式会社 koyukino バイヤー。
海外の雑貨や家具の仕入れを担当。独自の感性を活かし、自ら開拓した仕入れルートを世界中に持つ。
オンラインショップの運営の他に、2020年7月、市内に実店舗をオープン予定。

生まれは西本町、小さいころは喬柏園の池や岩の山が遊び場だった。
喬柏園はいま、市民活動センターまちからになっているよね。
子どもたちのあいだでまことしやかにささやかれていた
「夜になると剥製が動くらしい…」
っていう、喬柏園の怖いうわさ。
立ち入り禁止ってのもあって、喬柏園の建物の中にはあまり入らなかった。
町内の運動会は、雨が降ると喬柏園の二階講堂でやってたから、建物に入るのはその時くらい。

冬には八坂神社裏にある斜面でそり遊びもした。
八坂神社には「お稚児さん」というのがあって。
ここで生まれた子は、みんなやらなきゃいけない。
町内のそういう行事にも参加した。
鵜川の向こう側は校区が違うの。
だから鵜川を渡って遊びに行ってはいけない感じ。
鵜川の西本町側が、自分たちのテリトリー。
小さいころは、町内の子どもたちと近所で楽しく遊んでいた。

高校に入ると、柏崎が大嫌いになった。
理由は、世界が広がったから。
高校でいろんな友達ができて、町内だけが遊び場だったころから比べて、外へ外へと世界が広がった。
当時はバンドブーム。THE YELLOW MONKEY、GLAY、黒夢なんかの時代。
バイト帰りに、今はない柏崎のレコード屋「サウンドクラッシュ」でCDを買って帰ってさ。
新潟市のライブハウスにも行くようになって。
学校の外にも友達ができて、さらに世界が広がる。

バイトは、焼き肉屋の仕事。
お店に来るお客さんが、夏は海で屋台をやっていて。
ちょっと怖い、あっち系の人。
夏はその人の屋台でバイトもしていた。
怖い人だったけど、いい人だったな。
ホラ、そういう人たちって、身内には優しいじゃない?
身の上話なんかしてくれたし、可愛がってくれたのよ。

バイトで貯めたお金で東京によく遊びに行った。
「友達の家に泊まってくる」
なんて嘘ついて親には内緒で行ったりして。
夜行バスに乗って車中泊、東京着いて原宿に行くの。
青春18きっぷなんてのも使ったな。
ライブ行ったり、買い物したりして、特に何するわけでもないんだけどね。

東京に行くようになって、より遊びの幅も広がる。
加速する柏崎から出たい欲。
柏崎は遊ぶところもないし、買い物できるところもない。
東京への想いが募る。

将来の夢なんて特にない。
けど、とにかく早く柏崎から出たい。
東京に行くこと前提で考えた、高校卒業後の進路。
最初は動物が好きという理由で、ペットトリマーの学校に行こうとしてた。
同級生と行った、東京の専門学校の見学。
同級生の付き添いで行った美容専門学校の先生からひとこと。
「ペットより人間の美容師のほうがいいんじゃない?」
「あー、そっかぁ。そうしよう!この専門学校だったらキャンパスが原宿だし!」
カットが好き、とかカラーに興味がある、とかではなく原宿だから決めた。
上京を決めたわたしに、母親は心配してガミガミと言う。
けど、父親は
「娘のやりたいことだから」
って応援してくれた。

なりゆきで決めた進路。
やりたかった「東京に住む」を実現した私は、上京してから遊びまくった!

episode.2へ、つづく

photo:ヒロスイ

2020年6月28日 20:45

カテゴリー / まちから

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投稿者 / yajima