別アングル 行田 昭仁 episode.3

別アングルは柏崎の魅力的な人を取材して、その人の情熱や生き方を紹介するインタビュー記事です。
お話を伺うのは、仕事、遊び、趣味など、何かひとつのことに打ち込む人たち。動機は、好きだから、楽しいから、気が付いたらやっているから、といたってシンプル。
地域の課題解決のためと思ってはいません。柏崎のまちをよくしようと思って、それをやっているわけでもない。しかし、結果として人を喜ばせ、地域のためになっている。
別アングルから見るとまちづくりになっている。
魅力的なひとの存在に気づけば、またさらに柏崎が好きになれるはず。
そんな想いでこの記事を書きます。
第一回目は行田 昭仁(こうだ あきひと)さんです。
episode.1はコチラ
episode.2はコチラ

行田 昭仁

1976年 柏崎市生まれ。株式会社藤技建 代表取締役。 スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを通じて、仲間との暮らしを楽しむ。 南鯖石の山室集落在住。

山室滑降は当時、コースの造成を土建屋に勤めていた父親がしていた。
ドーザで林道の雪を割ってコースを作る。
どうしてもキャタピラの跡で、雪がデコボコになる。
滑降のコースは雪面が平らでなければいけない。
デコボコを平らにするため、でっかいチェーンをドーザの後ろにつけて引きずり、平らにする。
そうやって、父親が素人ながらに工夫している姿を俺は見ていた。
「山室滑降を復活させたい」
父親に相談した。
「コースづくりは本当に大変だぞ。やれるもんならやってみろ」

今はいい時代だな。
山室滑降の復活をフェイスブックなどSNSを使って告知すると
遠方の仲間も手を貸してくれた。
集落の人たちも手伝いに来てくれた。
ゴールで豚汁のふるまいをしてくれた山室集落の若い奥さんたち。
景品にお米を出してくれた山室生産組合。
当日は、父親も手伝ってくれた。
参加者の喜んでいる姿を見た父親が、俺に一言。
「お前もなかなかやるじゃないか」
大会は盛況だった。

自分たちの手で山室滑降が再開できた。
ここでの楽しみが一つ増えた。
最近は小雪で開催で来てないが、2021年こそは。
山室集落は、立地も良い。
どのスキー場にもアクセスがいい。基地みたいなもんだ。
柏崎の町で働いて、夜はナイターに滑りに行くってことができる。
町にも山にも近い山室集落、良い場所だと思うよ。

家を買った時、農作業小屋もセットになってて。
一階はガレージ、二階はたまり場になってる。
ここでスキー、スノーボード、ロードバイクのメンテナンスをする。
道具の金はケチらない。命預けるものだから。

最近では、ロードバイクも乗るようになった。
「40歳過ぎてパフォーマンス落ちてきたから、夏はロードで鍛えよう」
仲間が言い出したのがきっかけ。
これが、始めてみるとハマっちゃって。
スキーのために始めたのに、どっちがどっちかわかんない。
夏山にも登るんだ。こうなると一年中、地球上のどこでも楽しめるワケよ。
そして、そこに常に一緒にいるのは仲間なんだな。
結局、スキーも含めすべては仲間と楽しむためにやってるのかもしれない。
切磋琢磨しながら、楽しみながら。やめられないよな。

スキーの専門学校を続ける道を進んでいたら、どうなっていただろう。
想像がつかない。
けど、そっちに進んでたら家族もいなかっただろうし、仲間とも出会ってなかっただろうな。
今が一番楽しいから、満足している。
人生、一分一秒でかわる。選択の結果なんて、後付けでしかない。

だから、その一分一秒を仲間と家族と楽しむことを大事に考えている。
そこにいる人たちが楽しめて、それが連鎖していけば、きっと地域の活力になるんじゃないかな。

好きなコトをしに、外へ遊びに行こう。仲間との出会いが待ってる。

おわり

photo:ヒロスイ

2020年3月31日 23:51

カテゴリー / まちから

#

投稿者 / yajima