ドーモ、ヤジマです。
店主のおばあちゃんが亡くなり、地域から愛された商店が閉店しました。矢田集落にある商店「矢田屋」です。
協力隊のミッションは「商店復活」
矢田屋のある矢田集落では、地域おこし協力隊の2人目を募集中。2人目の協力隊員は商店「矢田屋」を復活させ今までの地域の集まりを維持すること。そして新しく語りの場を作り、ゲストハウスやレストランの立ち上げ検討をしていくことが、ミッションとなります。
・商店、ゲストハウス、レストランの等の企画、立ち上げに興味がある
・人を集めて話をするのが好き
ピンときた、あなた、以下長くなりますが、矢田屋と店主 信(のぶ)さんの物語をお伝えするのでお付き合いください。
矢田屋について
昭和36年、矢田屋は砂糖、塩、油などの生活必需品を売る商店として開店。自宅の一部を店舗スペースとして営業し、増築をして現在に至ります。スーパーなどが少なかった時代は、商品を仕入れればすべて売れていたそう。主なお客さんは地域の人々。買い物以上に、店主 信さんとのお茶飲みが多いお店だったと言います。自宅部分では大正琴、裁縫教室、折り紙などの習い事教室も開いていました。

信さんのまわりには、いつも人がいた
商店にお客さんがいなければ友達に電話して、「暇だから遊びに来ない?」なんてお誘いをする、おちゃめな信さん。冬はお客さんに、ストーブで焼いたモチやイモを振舞い、商店の中はお茶飲み空間に。商店のお客さん、習い事の生徒、友達に囲まれ、信さんの周りにはたくさんの人がいたと言います。
信さんが亡くなり、閉店の売り出しをすると多くの人が駆け付け、信さんの思い出話をしていたったそうです。
好奇心
信さんは好奇心旺盛で、歌と三味線が大好きでした。大正琴が流行った時は、練習して地域の人向けの教室をひらくほど。宝塚や落語も好きで、晩年は氷川きよしさんの熱烈なファン。東京までライブを見に行ったそうです。
信さんの旺盛な好奇心について、長女の裕子さんは「母は小学生の時、終戦を迎えました。まわりから『今までの教科書は役にたたなくなる。これからは英語の時代だ』と言われた影響が大きかったのではないでしょうか。戦後を生きるため必要な知恵を吸収するために、好奇心が大きくなったのでは」と言います。

クリエイティブ
信さんの上手な三味線や歌を聞いた近所の人から「三味線と歌を教えてほしい」と頼まれれば、「そうか、よし!」と言って、自ら三味線教室を開く実行力もありました。昔の人ならではの器用さから、お裁縫教室や折り紙教室も人気。

信さんの実家は、大工。小さいころから、のこぎりや金づちを使い、お父さんの手伝いをしていました。お店を増築するときも、家の改装をするときも、大工の経験が役立ったのではないでしょうか。
ひ孫が家に来て庭で遊んでいるを見た信さん。
「ブランコがあったらいいな…よし!庭の桜の木にブランコぶら下げるか!」と言い、庭にブランコを作る。
「高いところから庭を見たら眺めが良いだろうな…よし!あそこの崖にはしごかけるか!」と言い、はしごをかける。

思いつくアイデア、行動に移す実行力、大工で培われた器用さ。クリエイティブです。
矢田のバス停を通って駅まで向かう路線バスが廃線になると噂になったとき、亡くなる直前のベッドの上にも関わらず、「仲間を募ってバスに乗って駅に行き、昼ご飯を食べてくるのはどうだろう。利用が増えればバスを維持できるのでは」とアイデアを巡らせていたと言います。
古くて新しい場所
信さんが亡くなり、閉店した矢田屋ですが、地域の人々は集まりの場をなくしたくないと思っています。信さんのご家族も「母だけでなく、ひ孫までが過ごした私たちの家を無くしたくない」と言います。

矢田集落では今夏、女子大学生がインターンにやってきました。そのとき、生まれた集落内外の繋がり。今まで話したことのなかった、外から矢田に嫁いできた若いお嫁さん二人は、インターンがきっかけで会話が生まれました。矢田集落の総代さんは、「インターン生のおかげで若者、女性が集まりに出てきてくれるようになった。今後ももっと集まりに若者、女性の参加が増えてほしい」と言います。
矢田屋の記憶を受け継ぎながら、今までになかった若者、女性も参加できる新しい集まりの場を作る。
これが矢田の地域おこし協力隊のミッションです。
矢田屋のぬくもりに後押しされた、新しい場所
矢田屋の前を通る県道は、柏崎市と隣の長岡市を行き来するのに便利な道のため、店の前の交通量が多いです。きっと通り沿いに看板を出すだけで、お客さんが来ると思います。集落センターのそばに立地しているため、矢田屋は「ミニコミュニティセンター」と呼ばれるほど。集落内の人の行き来も多い場所です。地域の人が立ち寄り、矢田屋と信さんの思い出を語ってくれることもあるでしょう。プロジェクトのヒントになるかもしれません。

あなたに、地域で何かをしたいという好奇心があり、活かしてみたい自分ならではのアイデアがあれば、矢田屋の復活に力を貸してくれませんか。商店の復活、夕日が見えるレストランの構想、ゲストハウスの企画。東京マルシェへの出店もあります。これから一緒に考えましょう、ワクワクしますね。きっとあなたにしかできない仕事ができると思います。 それを後押ししてくれるのは、地域の記憶です。応募をお待ちしております。
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募集要項 柏崎市のwebサイト