自分の感じた違和感をほっておかない子どもたちを増やしたい

みなさんこんにちは。水戸部(ミトベ)です。

あいさでは、まちのプレイヤーのみなさんと新しい教育プログラムをはじめることになりました。はじめるに至った経緯や、やっていきたいことをご紹介したいと思います。少し長くなるかもしれませんが、お時間のある方はお付き合いください。

①ずっと感じていた違和感〜インプットとアウトプットのギャップ〜

私は、小学校から大学まで、勉強ができず・スポーツが苦手で・人気者でもない、学校教育の主要な評価軸にまったく引っかからない落ちこぼれとして育ってきました。父親と長男・次男が仏教で、母親と弟がクリスチャンという不思議な家庭環境も手伝って、みんなと同じようにできないとか、周りの人から認めてもらえていないんだろうなとか、なんで自分はこういう人生なんだろうとか、そんなことを考えながら自分に自信が持てず、社会に反発するように生きてきたように思います。長野県長野市の実家を離れ新潟県柏崎市の大学に来て、恩師や地域の人たちと出会っていなければ、今頃どんな生き方をしていたのか。考えると複雑な気持ちになります。色々な人に出会い、助けていただいて、自分なりに頑張って、少しずつ自分の歩みたい生き方が定まってきました。今は、周りの温かい個性的な人たちに囲まれて、すごく充実している実感があります。

日本の学校教育では、集団生活の中で協調性や周りの空気を読む力などを身につけることができたり、まんべんなく能力を伸ばすような教育を受けることができます。そして、多くのバランス型人材を育成し、社会に解き放っていくわけです。この機能がなければ、日本の経済を下支えする人材がいなくなってしまうわけですから、日本がまわりません。

一方で、社会に出るとどういう能力を求められるでしょうか。あくまで私の短い人生経験からでしかありませんが、社会に出るとその人らしい独自性やアイデア、既存の当たり前を疑い新しい価値観を生み出す力など特徴や個性のある特化型人材が求められているように感じます。特に、その役割を担う人材が不足しているという表現のほうが正しいのかもしれません。

学校教育で得るインプットと社会に求められるアウトプットのギャップ

学校教育で経験できるインプットと、社会に出てから求められるアウトプットに大きなギャップがあるなぁ…というのが私の感じてきた違和感です。

先日、十日町でインバウンド向けの地域ツアー会社HOME away from HOME niigataの井比晃さんが面白い整理をされていました。それが下記のビジネス人材の4分類です。

井比さんが教えてくれたビジネス人材の4分類

0→1は、社会に新しい価値を提案できるアイデアを発想するのが得意な人。起業家などに多いタイプだと思います。

1→10は、そのアイデアをビジネスフェーズまで創り込める人。アイデアをカタチにする人です。スタートアップ企業の初期メンバーなどに必要な人材だと思います。

10→100は、スタートしたビジネスをよりスケールさせるためにチームのルールやスタンスなどをシステム化する人です。総務や会計などのバックオフィス部門もこれにあたるかもしれません。

100→1000は、定められたルールや仕組みの中で、現場の最前線で生産活動をする人たちです。一番多くの人数が必要であり、なおかつルールや仕組みをスムーズに理解して行動する力が求められます。

日本の学校教育では、100→1000の人材を多く発掘してきたと言えると思います。それはとても大切であるし、重要な役割です。一方で、0→1や1→10の人材は地域になかなかいません。足りていないし、そもそもそういった人材を育てようとする試みが少ないのです。きっとそういう資質を持った子どもたちはたくさんいるのに、その道を歩んでいくという選択肢を知らずに大人になってしまう子が圧倒的に多いのではないか。それが、このプログラムをはじめるにいたった動機です。
また、社会に出たらお金に関する知識やビジネス的思考が求められます。それも、学校ではなかなか学ぶことができないことです。地域にはそれらを教えることに長けているプレイヤーが多くいるのに、そこが接続できていないことにも問題意識を感じています。

②私たちが目指すこと〜違和感をほっとかない子どもたちを増やす〜

そんな想いから、新たに「Change Maker」というプロジェクトをスタートさせることになりました。「Change Maker」は、子どもたちが「日常に違和感を感じたときに、自らのアクションで解決する力=アントレプレナーシップ」を身につけるSocial Entrepreneurship Programです。ビジネス人材4分類のどこに属性を持っているかに関わらず、自分自身が目の前のことに主体的に取り組むチカラは必要です。それをアントレプレナーシップと定義しています。このプログラムを、学校の授業の時間をお借りして実施するところからはじめていきたいと考えています。子どもたちに、自分自身の生き方を考えるうえで、今の社会や日常生活の中で感じる違和感に「気づく:アンテナ」と、それにどう対峙するのかという「考える:アイデア」と、できることからはじめる「起こす:アクション」を学ぶ機会を提供していきます。

「Change Maker」のカリキュラムイメージ

2019年度は、新潟県立翔洋中等教育学校の5年生(高校2年生)と、市内の2つの中学校で実施させていただく予定です。また、新潟産業大学と新潟工科大学の近くにある夢の森公園内の「里山カフェ I’m home」を会場に、大学生向けの起業家とのマッチングの場もつくっていきます。

③試しにやってみた〜翔洋中等教育で2018年度に実施したカリキュラム〜

まずはやってみようということで2018年度は、プレで実施してみました。
翔洋中等教育学校の高校2年生を対象に「社会問題の解決プランをつくる」というテーマでカリキュラムを設計しました。子どもたちのビジネスプラン構築をサポートするメンターとして、地域で活躍している起業家等のみなさんも参戦していただきました。

<カリキュラム/12コマ>

1.SDGsから、身の周りの社会問題について考える/2コマ
2.テーマ選択と調査/2コマ
3.実際に活動するNPO等の活動を現場で学ぶ/2コマ
4.社会問題の解決プランをつくる/7コマ
5.提案をまとめプレゼンテーション/1コマ

地域で活躍するメンター陣

はじめに、国連が採択した2030年までの世界共通の開発目標であるSDGsを活用して、身の周りの社会問題について学ぶ時間を設けました。全世界、アジア、日本、新潟、柏崎…とスケールダウンしていきます。自分の周りの問題と世界の問題がつながっていることを一緒に学びます。

地域で活躍するメンターとのセッション

その後、グループごとにSDGsの中で自分たちが取り組むナンバーの選択と、自分たちのミッションを言語化します。子どもたちなりに、地域の問題と向き合い、受益者を考え、ミッション文を作成しました。

グループごとにミッションシートを作成

夏には、東京研修の1コマを活用して、社会問題の解決に取り組む実践者からリアルな声を聞くセッションを開催しました。

<セッションにご参加いただいた実践者のみなさん>

・mogmogはうすの丸山寛子さん
・Haloworld株式会社、Cantec株式会社 両代表取締役の司馬天風さん
・子ども宅食コンソーシアムの四登夏希さん

東京研修で実施した実践者によるゲストトークセッション

柏崎に帰ってきてからは、自分たちのミッションを達成するための具体的なビジネスモデルの検討に入っていきます。それぞれのグループにメンターが伴走してブラッシュアップや壁打ち相手になります。メンターとのコミュニケーションを通じて、アントレプレナーシップを醸成していきます。

ブラッシュアップの様子

最後は、外部から審査員をお願いしプレゼン大会を開催しました。

プレゼン大会の審査委員からは厳しい質問も飛び交いました
この日まで一生懸命準備してきてものをプレゼンします

今年度、優勝したチームのスライド資料をご紹介します。(右下のボタンでスライドをおくることができます)

この授業を通じて、将来自分で事業をしてみたい、起業したいと言ってくれた生徒も出てきました。なかには、3日間の起業体験イベント「Startup Weekend」を高校生自らで企画運営することにチャレンジする子も。こういった機会の提供を柏崎全体に広めていきたいと考えています。

高校生が企画運営した「Startup Weekend U-18」

このプログラムにご興味のある方はお気軽に「あいさ」までお問い合わせください。また、より多くのみなさんに、このプロジェクトを応援していただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

2019年3月30日 19:50

カテゴリー / あいさ

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投稿者 / mitobe