社会を良くする挑戦者たちvol.08

地方創生の切り札「公民連携」で地方の価値を高める
「駅南」に新しい魅力を生み出すエリアリノベーション

 人口減少や行財政の縮小など、多くの問題が叫ばれる地方都市。地域をなんとか元気にしようと、地方創生やダイバーシティなど、全国各地で様々な挑戦がはじまっています。公共を行政だけに委ねるのではなく、民間側が主体的に公共空間を創っていく「公民連携」の動きも加速してきています。今回は、その中でも特に注目されている「エリアリノベーション」の取り組みをご紹介します。「エリアリノベーション」とは、空きビルや空き家、その他の民間が所有する土地や建物を改装し、新たな価値を加えるためにリノベーションする。 それが広がって、 まちごと賑わいを取り戻すことです。

 2013年から柏崎市でも、「駅南」をエリアリノベーションする挑戦が始動しています。地元である新潟工科大学と連携したシェアハウス“はちのす”のセルフリノベーションを皮切りに、2017年10月には“ベーグルとクロワッサンの店「Biwajima Bakery」(びわじまベーカリー)”がOPENするなど、エリアの価値を高める試みが進められています。その活動の中心となっているのが八幡開発株式会社の飯塚政雄さんです。

こだわりのベーグルがならぶ店内

 飯塚さんは、2016年に参加した「公民連携プロフェッショナルスクール」でエリアリノベーションの考え方や、社会をどうやってより良いものにしていくのか、そこに自分の仕事がどう役立つのかを学んだと言います。
 「公民連携プロフェッショナルスクール」は、日本初の公設民営方式で開学した「東北芸術工科大学」と、戦略的都市経営と公民連携事業で先駆的な取り組みを行ってきた「一般社団法人 公民連携事業機構」が行う、「人口減少時代に地域を活性化する自治体の経営政策づくり」を支援するプログラムとして有名ですが、飯塚さんはその二期生にあたります。スクールでは、正しい地域経営課題の設定手法を学びました。ここで言う正しいとは、人口減少や過疎化など大雑把な地方共有の問題を課題として捉えるのではなく、それぞれの地域の特性を考慮したうえで地域が抱える原因をロジカルに整理し、深掘りしていくというもの。もう一つは、「お金の流れを意識した」事業の立案です。まちの活性化や賑わいづくりは人の数が注目されがちですが、しっかりとお金が動き経済が循環することが大事だと分かってきました。
 「スクールに通う前と後では、仕事の優先順位がガラッと変わって、自分が不動産屋という職業を活かしてどう社会を良くしていけるのか、そこに貢献できるのかを考えるようになりました。」と飯塚さんは言います。

 今年の5月下旬には、新たな店舗である“季節のスープとスムージーの店”をOPENします。「Biwajima Bakery」と共に、子育て世代の女性に楽しんでもらえる「駅南エリア」を目指しています。今後は、エリアリノベーションを核としたまちの再生に一緒に取り組んでくれる仲間を集めながら、柏崎の価値創造のための事業化を加速させていく予定。「駅南」のエリアリノベーションが柏崎の公民連携を牽引していくことで、新しい可能性が見えてきました。

新たにOPEN予定の”季節のスープとスムージーの店”は、 建設真っ只中。
飯塚政雄さん

八幡開発株式会社代表取締役社長。2009年に父親から会社を継ぎ、不動産賃貸、売買、宅地造成の業務に従事。不動産業を活かしたエリアリノベーションに興味を持ち、「公民連携プロフェッショナルスクール」に参加したことをきっかけに、「駅南エリア」の開発に取り組み始め、2017年10月にベーグルとクロワッサンの専門店を柏崎市にOPEN。まちに開かれた不動産会社を目指し活動しています。

八幡開発株式会社
住所:新潟県柏崎市穂波町1番25号
電話番号:0257-22-3357
HP:http://www.hatiman.jp/index.html

※この記事はシーズン柏崎2018年5月号「社会を良くする挑戦者たち vol.08」に掲載されたものです。
http://seasun-kashiwazaki.com

2018年5月11日 11:25

カテゴリー / あいさ

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投稿者 / hirata