社会を良くする挑戦者たちvol.07

ママが活躍する、アパレルブランドへ
子育ての孤独を解消し、社会と繋ぐ小川代表の挑戦

 笑顔を浮かべ、柄を選び、形を決める。ミシンの音と楽しい会話が聞こえてくる。その隣でこどもが自由に駆け回る。完成させたい、その思いがママの行動を変えていく。
 今回は「ママが我が子のために手作りする気持ちを大切にしたい」と語る、小川祐子さんの「子育てママの孤独を解消し、ママと社会を繋ぐ」挑戦の紹介です 。

 アトリエ装ウには、毎週多くのママが集まってきます。互いに教え合うことで手作りしたいアイテムを製作する手芸部。本格的に洋服作りを学ぶためパターンや基本のYシャツ等を製作するレベルアップ講座を運営しています。そのあいだ、小さなこどもはママの背中におんぶされたり、隣でこども同士遊びながら過ごしています。「こどもを連れて参加できる」活動は小川さんの「こどもと一緒に好きなことをしたい」思いから始まり諦めていた大人の習い事もこれならできるとママたちから人気を集めています 。

 代表の小川さんは柏崎市出身で高校卒業後に上京。ティーンズ向けアパレルブランドのデザイナーとして、13年活躍していました。結婚を機に、自然豊かな土地で子育てをしたいと思い帰省。
 「お母さんがいつも服を手作りしてくれた時のように、自分の娘にも何か作ってあげたい」と出産後、再び服を縫い始めました。

 社会のあらゆる現場で女性が活躍する中、女性の育児と仕事の両立の難しさが問題となっています。アトリエ装ウには、現在25名のママが切磋琢磨し合いながら活動に参加しています。ママの抱える背景はそれぞれ、夫の転勤を機に見ず知らずの土地で子育てをするママ、子ども中心の生活から思うように働けないママ、こどもとずっと向き合っているママ。様々な葛藤の中でも、アトリエ装ウの女性は限られた時間でこどもを連れて手芸に没頭、製作したアイテムの販売、受注商品の内職など、育児以外の趣味や仕事が混ざり合った、新たな繋がりのある生活を楽しんでいます。

ミシン1台から活動を開始。子どもを連れて参加できる手芸部はママと子どもの温かい空気に包まれる。

 これからの挑戦として、ママの縫製技術を高め、アパレルブランドの展開にも取り組みます。
 「この3年間で確実にママの技術は上がってきた。柏崎のママが作った服を、世界中の子どもとママに届けたい。」と、共に活動を支えてくれた仲間の姿から小川さんは強い思いを抱いています。
 これまでにデザインしたアイテムは、東京で開催されたファッションショーのモデルが着用したほか、子ども用ザリガニのコスチューム、えちゴンのハロウィン衣装など、幅広いニーズにもオリジナルの世界観と技術で表現しています。

 4月下旬からは「デイリーにもスペシャルにも女の子とママを可愛くしてくれる」をコンセプトにペプラムワンピース専門ブランド「Peplum TUKUTTE」を立ち上げます。ペプラムとはウエストから裾への部分がふわっとしたデザインで、ウエストの細さを強調し可愛いらしいシルエットになります。ベビーは100日のお祝いから1才半まで1着で長く着ることのできる優れもの。出産祝いにも喜ばれます。柔らかいコットン生地のほか、リネンやサテンなどを使い色々なシーンに対応。
 「ママのアイデアと技術の詰まった商品づくりから、小さな雇用にも繋げていきたい。」と、新しい働き方を模索しながら、子育てを楽しめる環境と仲間づくりを行っていきます 。

小川さんが娘のために制作したペプラムワンピースが、今ではママが手作りする商品の一つになった。
小川祐子さん

アトリエ装ウは、2015年子育てママの息抜きの場として「こどもを連れて参加できる手芸部」の活動をスタート。3年が経ち、「ママだから作れるこども服を、柏崎から世界中のこどもとママに届ける」をコンセプトに、縫製技術を学ぶレベルアップ講座、こどものための手芸教室、代表小川がデザインするアパレルブランドを展開。
今年4月下旬より、ペプラムワンピースを専門とした新ブランド「Peplum TUKUTTE」(ペプラム ツクッテ)を立ち上げ、ホームページより一般販売を開始予定。

アトリエ装ウ
HP: https://atyosoou.localinfo.jp
メール:at.yosoou@gmail.com
LINE@ID: egg1072c

※この記事はシーズン柏崎2018年4月号「社会を良くする挑戦者たち vol.07」に掲載されたものです。
http://seasun-kashiwazaki.com

2018年4月11日 11:03

カテゴリー / あいさ

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投稿者 / hirata