震災の傷跡が残るなか迎えた成人式から10年
柏崎で初めての三十路人式開催に向けての挑戦
『三十路人式』をご存知だろうか?新潟市や長岡市で開催されている、その年の30歳になる世代が集まる同窓会企画である。今回、柏崎初の三十路人式が2018年2月11日(日)に開催される。今回は、柏崎三十路人式実行委員会の挑戦を紹介したい。
現在、市内在住の7名の実行委員で三十路人式の準備を進めている。発起人であり、副実行委員長の今井由衣さんが他地域で行われていることを知って構想を温めていた。今井さんは高校の同級生をはじめプライベートの友人や、仕事で出会った30歳に声をかけた。「仲の良い同級生とはお正月やお盆に会うことも多い。30歳の節目に一堂に集まる機会があれば、学生当時はそこまで話したことがなかった人とも年齢を重ねたこのタイミングだからこそ話せて、新たな交流が生まれるのではないか。」と今井さんは語る。
今の30歳になる世代の成人式は、2007年に発生した中越沖地震後、最初に行われた成人式である。彼らは市内各所、友人の家や身近なところで地震の爪痕が残るなか成人を迎え、みんなが集まったものの気持ちはどこか落ち着かなかったそうだ。あれから10年が経過し、みんな30歳を迎える年となった。
しかし、まちの未来を担う大事な世代ではあるが、柏崎を離れた人も多い。また、30歳といえば置かれている環境が大きく変化する時期。仕事は責任ある役割を任されるようになり、人によっては積んできた経験を生かして転職を考える。また結婚、出産、育児を経る人も出てくる。若手から中堅へ、恋人から夫婦、そして父母へ。自分の立ち位置が変わり、その中で悩みが多岐に渡ってくる。
今回のコンセプトとして、「出会い、再会、また会いたい」を掲げている。三十路人式をきっかけとし一堂に集まることで、今までの関係は深め、途切れていた関係はつなぎ直し、新たな出会いや交流も生まれる。そして、この機会の先につながっていく関係性を築いてほしいという願いが込められている。
「成人式のときに久々の仲間に会えるワクワク感があって、それをもう一度感じたいと思った。若手が盛り上がって柏崎を元気にしていきたい。」と実行委員長の遠藤貴裕さんは三十路人式への思いをこう語る。
柏崎三十路人式では今回150人の30歳を集めることを目標にしている。柏崎出身者だけでなく、柏崎の職場で働いている、学校に通っていた、など柏崎と縁があれば大歓迎だそうだ。一度離れた人もこれをきっかけに柏崎にまた住みたいという人が出てきたら…と思いを馳せる 。

三十路人式当日は柏崎の美味しい料理やお酒に加え、ゲームなどを通して多くの人と交流ができる。
長岡市では今年6月大成人式(40歳を対象とした成人式)も行われ、大いに盛り上がった。柏崎市内でもこのような取り組みが活性化していくことが期待される。柏崎に縁のある39歳、29歳の方々も三十路人式にぜひ、注目してほしい。まずは、2月11日の開催が待ち遠しい 。
今井由衣さん 遠藤貴裕さん 2017年春に実行委員会として7名で活動をスタート。写真の二人は高校、大学の同級生。大学は市外だったが、二人とも柏崎で仕事に就いている。今回の三十路人式が一度きりで終わるのではなく、継続して柏崎で開催される体制づくりにも取り組んでいく予定だ。 ※現在、協賛の企業や個人も募集中 。
柏崎三十路人式実行委員会
メール:misojinshiki.kz@gmail.com
Facebook:https://www.facebook.com/kashiwazaki.misojinshiki/
※この記事はシーズン柏崎2017年12月号「社会を良くする挑戦者たち vol.03」に掲載されたものです。
http://seasun-kashiwazaki.com