柏崎で、一歩先行く障がい者福祉を創っていきたい
企業と福祉をつなぐ、小林社長の挑戦
2015年7月の開設から、柏崎の福祉環境に新しい風を吹き込んでいる株式会社With You。代表取締役社長である小林俊介さんは、「一歩先行く障がい福祉で地域貢献とビジネスを両立させる」という企業理念を掲げ、製造業と福祉事業を同時展開している若手社会起業家だ 。
株式会社With Youは、柏崎市発の「就労継続支援A型事業所」の指定を受けて、柏崎市の田塚に工場を開設させたのがはじまり。「就労継続支援A型事業所」とは、障がい者と雇用契約を結び、最低賃金を保証しながら就労支援を行うことで、障がい者の一般企業への就職を支援する福祉サービス。これまで、B型の事業所は市内にも開設されていたが、小林社長はA型の事業所開設にこだわった。(A型事業に対してB型事業は、簡易的な作業をしてもらい賃金を支払うが、安価。企業との雇用契約はない) 「健常者と同じような時間働いていても待遇が全然違うことに問題意識を持っていました。B型の事業所は、利用する障がい者のみなさんと雇用契約を結ぶわけではないので、工賃と呼ばれるお金が支給されます。おそらく、全国平均でみても15,000円くらいだと思います。それでは、一ヶ月間一生懸命働いても、健常者のように自分のために使えるお金がほとんどありません。」そんな思いから、障がい者の就労環境を改善し、自分の力で稼ぐ力や、稼いだお金を趣味や余暇、家族のために使うことで、働きがいも醸成していきたいと考えた 。

With Youで働く利用者は現在14名。バネ製品などの検査や決められた個数を包装する定量包装作業などを行っている。働きはじめは作業を覚えてもらうために様々な苦労があるという小林社長。
「慣れるまでの指導は大変ですが、慣れてしまえば持ち前の集中力を遺憾なく発揮してくれて、自分の給料以上の生産量をあげてくれる利用者もいます。」
月に70,000円程度の給料を手にする利用者も出てきており、ライフスタイルも随分変わってきているようだ。自分の稼いだお金で、家族に食事を奢ったり、妹にお小遣いをあげたり、好きなアーティストのライブにいったり、大好きなお酒を呑んだり。
これまで、社会に支えられる側になりがちだった障がい者が、自分の力で稼ぎ、その稼いだお金を地域で使う。そんな「当たり前の日常」を、小林社長が作っているのだ 。
この2年で柏崎の福祉環境に大きな変化をもたらした小林社長。彼の挑戦はまだまだこれから。
「今後、今の製造業として利用者を増やしていくことはもちろん、しっかりと市内の障がい者を一般企業に就職していただけるような、企業と福祉をつなげる役目を果たしていきたいですね。その他にも、オーラルピースという障がい者が製造に関わっている口腔ケア商品の販売にも力を入れていきたいと考えています。近いうちに、なるべく工賃の高いB型の事業所もOPENさせられたらという夢を描きながら活動しています。」と力強く語ってくれた。
小林社長の目指す社会は、誰もが暮らしやすいと感じる社会。その実現のために、まさに人生をかけて、挑戦し続けている 。
小林俊介さん 株式会社With You代表取締役社長。小林社長が障がい者福祉に興味を持ったきっかけは、生死をさまよう大きな交通事故を経験し、これまで歩んできた人生に後悔を感じたことから。明日を生きれるなら社会に対して役立ちたいという気持ちが、今の挑戦の根本を支えている。
株式会社With You
住所:新潟県柏崎市三和町9-7
電話番号:0257-41-6025
web:http://withyou-ngt.com
※この記事はシーズン柏崎2017年10月号「社会を良くする挑戦者たち vol.01」に掲載されたものです。
http://seasun-kashiwazaki.com